COURSE
モデルコース

ローカル気分が味わえる銭湯へ RIDE&BATHコース

自転車に乗って自然を満喫する楽しさを紹介してくれるシマノスクエアさんの案内で巡るサイクリングコース。
今回は、実は銭湯の数がとっても多い大阪の街で、走って浴びて食べての贅沢な「銭湯コース」をご紹介します。
海外から遊びに来たゲストが喜んでくれるような「ディープな大阪」へ出かけましょう!
総走行距離は約25km。日本橋から長居公園を通りめがね橋を渡って大正区まで、自然と都市が共存するエリアを走ります。ほぼ平地なので、体力にあまり自信がない人でも無理なく楽しむことができそうです。

シマノスクエア公式サイト:https://www.shimanosquare.com/

銭湯について教えてくれるのは

日本温冷浴協会理事 桶美(OKB)さん

「フルタイム風呂タイム」の合言葉のもと、毎日のように銭湯・温泉に足を運ぶ温浴施設愛好家。2024年には、熱いお湯と冷たい水に交互に入る「温冷浴」を勧める『日本温冷浴協会』を発足。国内外にいるたくさんの友人をお気に入りの銭湯に案内し、一緒に温冷浴を楽しんでいる。

日本橋のバイクシェアポートで自転車を借りる

アメリカから長期休暇で遊びに来ているララさんとジョンさんに、いつもとは違った大阪を紹介するため、気軽に自転車が借りられるドコモ・バイクシェアで電動アシスト自転車をレンタルしました。大阪には670以上のシェアポートがあって、好きな場所で借りて好きな場所で返せるので本当に便利!

まずは自転車の操作パネルで充電量を確認して、アプリで鍵を開けます。交通系ICカードでもOK。乗る前にブレーキの効きやタイヤの空気をチェックしましょう。開錠から5分は料金がかからないので、不備があったら他の自転車を借りることができますよ。ジョンさんは「思ったより簡単だね」と早速サドルの高さを調節していました!

お風呂に入るので、服装は体温を調整しやすいレイヤリングがオススメ。
知らない大阪の街を安全に走れるように、シマノスクエアの浅野さんにレクチャーをしてもらって、いざ出発です!

【市内サイクルポート】

  • 住所:〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋2-8-18
  • スポット:B-72 GSパーク日本橋第2
  • TEL:0570-200-482
  • 営業時間:24時間営業
  • 休業日:なし

※法人会員サービスあり

まずは末広湯でひとっ風呂

朝9時30分。日本橋を軽く走ると、最初の目的地「末広湯」が見えてきました。既に数台の自転車が停まっていて、地元の人たちから愛されている様子が伝わってきます!

どこか懐かしく感じられる営業時間や料金が書かれた看板。暖簾の先には靴箱や券売機が見えます。スーパー銭湯しか行ったことがないというララさんとジョンさんは、ザ・銭湯な雰囲気に興味津々。「まるでタイムスリップしたみたいだ!」と盛り上がっていました。私も案内に気合いが入ります!

浴室には山岳風景のタイル絵があって、こちらもザ・銭湯といった感じ。温浴施設愛好家の桶美さんによると、ミストの量が多いスチームサウナと天然の地下水を引いた水風呂が特徴なのだそう。

日本温冷浴協会理事 桶美(OKB)さん

高濃度のスチームで実際の室温よりも熱く感じるサウナで汗をかいたら、しゃがんでかけ水をして、水風呂に入る。天然の地下水は、柔らかく肌当たりが良い上に適度な冷たさで気持ち良い!
冷たすぎない水風呂と熱すぎないサウナの“緩やかな”温冷浴を楽しんでほしいです。朝6時から深夜1時30分まで営業しているのも嬉しいですね!

【末広湯】

  • 住所:〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋1-16-5
  • TEL:06-6641-5965
  • 営業時間:6:00~25:30
  • 休業日:毎週月曜日
  • 料金:
    大人(中学生以上)600円(税込)
    中人(小学生)200円(税込)
    小人(0歳から幼稚園児)100円(税込)

朝食は大阪らしく喫茶店のモーニングで

銭湯に浸かって体が目覚めたところで、末広湯から自転車で2分の「ワナカコーヒーハウス」へ朝食を食べにやってきました!
商店街にある昔ながらの喫茶店は地元の人たちの憩いの場。地域密着な雰囲気にホッとします。ララさんとジョンさんもリラックスしている様子。

早速、トーストとゆで卵、飲み物のモーニングセット480円とみんなでシェアする用の玉子サンドイッチ710円を注文。モーニングのパンはしっかり厚めで、ワンコインでこのボリュームなのが大阪っぽい。ララさんも「朝食にちょうどいい量ですね」と喜んでいました。サンドイッチは卵焼きが挟まれているタイプ。「玉子がフワフワだね!」と大きな口で頬張るジョンさんを見て、いろんなお店のサンドイッチを紹介したいな、と思いました。

【ワナカコーヒーハウス】

  • 住所:〒542-0074 大阪府大阪市中央区千日前2-4-13
  • TEL:06-6645-0645
  • 営業時間:9:00〜18:00
  • 休業日:不定休

都会のオアシス長居公園へサイクリング開始

いよいよ本格的なサイクリングのスタート!
「ワナカコーヒーハウス」から天王寺、阿倍野の中心地を通って長居公園へ向かいます。1400年以上前に建立された「四天王寺」の鳥居を眺め、日本の信仰の歴史に思いを馳せたり。いつもは電車で通り過ぎる街も、自転車で走ると新しい発見があって楽しいですよ!

30分で自然とアクティビティが融合した「長居公園」に到着!
約25万㎡もある広大な植物園とセレッソ大阪のホームスタジアムや陸上競技場、プール、テニスコートなどのスポーツ施設が充実している公園です。

園内をのんびり散走していると、ジョンさんがテーブル付きのベンチを発見しました。これはピクニックにぴったり!近くのお店でお弁当を買って食べることにします。約4,500㎡の芝生スペースでレジャーシートを敷いてお弁当を食べたり寝転がったり、ゆっくり過ごすのもよさそう。

他にも、大人も全力で楽しめるアスレチック「ボウケンノモリ」や手ぶらでバーベキューができる「Good BBQ」などの施設もオススメです!

【長居公園】

  • 住所:〒546-0034 大阪府大阪市東住吉区長居公園1-1
  • TEL:06-6694-9007
  • 営業時間:24時間営業
  • 休業日:なし

地元で絶大な人気を誇るお弁当でピクニック

公園から歩いてすぐの「ハンバーグ専門店BOSTON長居店」へ。お昼前なのに長蛇の列ができていて、あまりの人気っぷりに驚くララさんとジョンさん。「これは絶対に美味しいですよね!」

悩みに悩んでデミグラスハンバーグ1,300円とチーズ焼きハンバーグ1,650円、和風おろしハンバーグ1,450円をテイクアウト。お腹がぺこぺこだったジョンさんもこの笑顔!

店内は、1952年にビートルズやプレスリーを流す音楽喫茶としてスタートした本店の魂を受け継ぎ、アメリカのダイナーのようなポップな雰囲気。テイクアウトにはない「煮込みスープハンバーグ」も気になるので、次回は店内で食べてみたいです。

【ハンバーグ専門店BOSTON長居店】

  • 住所:〒558-0004 大阪市住吉区長居東4-6-15長居パークサイドプラザ 1F
  • TEL:06-6690-4755
  • 営業時間:ランチ11:30〜15:00(14:30LO)ディナー17:30〜22:00(21:15LO)
  • 休業日:年中無休 ※年末年始を除く

買ってきたお弁当を持って再び長居公園へ。
木陰のテーブルでオープン!
200gのハンバーグは見た目にも満足感があって◎。カメラマンさんの分も並べて映え写真に挑戦してしまいました。

ハンバーグは牛肉100%でパワフルな味。創業当時から受け継がれているデミグラスソースもたまりません。チーズ焼きハンバーグはマイルドなゴーダチーズがちょうどよく、ジョンさんは一瞬で完食していました!
ハンバーグは+400円で300gにすることが可能。ライスも+100円で大盛りにできますよ。

大和川のサイクリングロードを通って北加賀屋へ

再び自転車を走らせ、咲洲と柏原市をつなぐ全長25kmの「大和川リバーサイドサイクルライン」へ。川からの心地よい風を浴びながら、パノラマの景色が堪能できる絶好のサイクリングロードです。「道が広くて走りやすい」とララさんとジョンさんの評価も上々!
ベンチや休憩所なども充実しているので、のんびり休みながらのサイクリングにもオススメです。

奈良方面に通じる「石川リバーサイドサイクルライン」や和歌山方面に通じる「大阪ベイサイドサイクルライン」とも接続しているので、ぜひ利用してみてくださいね。

風を切って走る爽快感を楽しんだ後は、川沿いを離れ、かつて造船業で栄えた住之江区北加賀屋方面へ。造船所で働いていた人や地元の人に親しまれていた商店街が残っていて、下町らしい雰囲気に心が弾みます。

実はこの北加賀屋、休眠状態になっていた造船所でアートイベントが開催されて以来、クリエイターのための創造施設が次々オープンしている「アートのまち」でもあります。
自転車を走らせていると、カフェや公園、銭湯、アパートにまでアート作品が点在。私たちも、ウォールアートがオシャレなカフェで小休止することにしました!

隠れ家カフェでティーブレイク!

カフェが入っている「NAGAYArt(ナガヤート)」の壁の前で記念撮影!
グラフィックデザイナー「SYUJI L Volkov」さんの作品で、よく見ると、「活発と低調」「革新と保守」という相反する言葉が浮かび上がってきます。

NAGAYArtは、1960年代に建てられた「旧千鳥文化住宅」の一棟をリノベーションした住宅だそう。ちょっと住んでみたいですよね!

さて、チャイの専門店「Talk with _ 」のドアを開けると、芳醇なお茶の香りがお出迎え! インドでは主にアッサム茶が使われますが、こちらでは和紅茶や烏龍茶、ほうじ茶、鉄観音茶など様々な茶葉をブレンド。また、ローズやカモミール、アップルなど、チャイではあまり馴染みのないスパイスも使っているのだそう。自家製ブレンドのスパイスは香りのテイスティングをさせてもらえました。

私とジョンさんは、基本のチャイから「ひとやすみビター」680円と「ちょっとだけ、冒険」640円をチョイス。ララさんはアレンジで+120円のチャイフロートにしました。

ひとくち飲んで、目を輝かせるジョンさんとララさん。「飲みやすい」「ごくごく飲めるよ」と乾いた喉を潤していきます。笑顔で応対してくれるスタッフと居心地のいい空間が気に入り、ついつい長居をしてしまいました!

【チャイ専門店 Talk with _ 】

  • 住所:〒559-0011 大阪府大阪市住之江区北加賀屋2-4-2
  • TEL:070-9079-2562
  • 営業時間:11:30〜17:00
  • 休業日:月曜日・火曜日

自転車に乗って「アートのまち」の散策へ

北加賀屋MAPを見ながらアートを探してのんびりサイクリング。ネオンに彩られた市電があったり、家の壁だけじゃなく、クーラーの室外機や消火栓までキャンバスになっていてびっくり!
大阪っていうと、どうしても梅田や道頓堀に目が行きがちですが、こういったディープなエリアにこそ下町の暮らしと新しいカルチャーとの融合があります。案内する側としても「知ってほしい大阪」を伝えられてよかった!

北加賀屋MAP

街のあちこちで見かけるウォールアートは、「自分の痕跡を残したい」と、イベントや創作活動で北加賀屋に来たクリエイターたちから始まったプロジェクトだそう。
日本だけではなく、海外アーティストの作品もありますよ。

めがね橋でドキドキの体験!

さて、汗もかいたところで大正区の銭湯へ出発!
途中、橋の両側がぐるぐると二重に円を描くように坂道になった「千本松大橋」を渡ります。上から見ると眼鏡に似ていることから、地元では「めがね橋」と呼ばれているんですよ。

300mほどの川を渡るだけなのに、橋の長さは1,228m!
ビル12階くらいの高さまで720度ループを登るので、全長が長いんです。最初は「これって本当に乗れるの?」と不安になる人も多いそうですが、電動自転車なら体力にあまり自信がなくてもスイスイ登れてしまいます。頂上にたどり着いた瞬間、風を全身で感じるような爽快感に包まれました。
ジョンさんとララさんも「登り切った後は達成感がすごかった」「頂上から見る景色は絶景でした」と笑顔で語っていて、とても満足そうでした!

疲れた体を癒やすのは、やっぱり銭湯!

大正区を走ること20分。住宅地の中に銭湯「天然温泉JOY大正」を発見しました!
まず、暖簾のポップな浮世絵に感動。ジョンさんにお願いして銭湯から出てきたようなポーズで記念撮影です!

浴室には電気風呂やジャグジー風呂など様々なお風呂が並んでいます。源泉かけ流しで少しとろみのあるお湯に浸かると、サイクリングの疲れが消えていくよう。サウナに入ったララさんは「広々していて、テレビまで見れるなんてすごい!」と大喜び。露天風呂のベンチでの外気浴も至福のひとときでした。
今日は1階が女湯で2階が男湯でしたが、奇数日と偶数日で入れ替わるので、今度は2階のお風呂を試してみたいです!

日本温冷浴協会理事 桶美(OKB)さん

100%源泉かけ流しの湯で「温泉温冷浴」ができる貴重な銭湯です。泉温はなんと46~47℃!熱いお風呂と17~18℃の水風呂でしっかりとした温冷浴体験ができます!
サウナも100℃以上の設定でしっかりと汗が出るのが良いですね。5台分の駐車場があるので家族や友人と連れ立ってどうぞ!

【天然温泉JOY大正】

  • 住所:〒551-0012 大阪府大阪市大正区平尾4-23-6
  • TEL:06-6554-5835
  • 営業時間:14:00〜22:00(受付は21:00まで)
  • 休業日:土曜日

お世話になった自転車を返しに

夕食へ向かう前に、大正駅にあるシェアポートで自転車を返却。大きな駐輪場の中にあるので探すのに10分くらい手間取りました。時間に余裕を見ておくといいですね!

ポートが埋まっていると返却できないので、アプリから返却したいポートを予約をしておくと安心です。自転車の操作パネルの返却ボタンを押し、返却完了通知が届いたら終了。お疲れ様でした!

大阪の「リトル沖縄」でお疲れ様会!

第一次世界大戦後、軽工業が発展していた大阪には沖縄から出稼ぎに来る人がたくさんいて、大正区は今も沖縄にルーツを持つ人が多く暮らしています。そんな「リトル沖縄」にある、沖縄直送の食材を使った沖縄料理が楽しめる居酒屋「いちゃりば」にお邪魔しました!

注文したのは名物のゴーヤチャンプルー650円と沖縄そば750円、ラフテー750円、ポーク玉子おにぎり300円。ゴーヤチャンプルにトライしたジョンさんは「ゴーヤの苦味がいいね」とにっこり。疲労回復にも効果があるので、サイクリングの後にはぴったりの料理ですね!

自転車を返却してしまえばお酒も飲めるのがシェアライドのいいところ。沖縄らしくオリオンビールで乾杯! 泡盛も揃っているので、お気に入りの銘柄に出会えるのではないでしょうか? 沖縄県民に愛されている「沖縄バヤリース」やさんぴん茶など、気になるソフトドリンクもたくさんありました。

沖縄のことわざ「イチャリバチョーデー(いちど出逢えばみな兄弟)」から付けた店名のとおり、フレンドリーで居心地も抜群。私がポーク玉子おにぎりを食べようか迷っていた時も、店員さんがさっと人数分に切り分けて持ってきてくれました!優しい!

隣の商店で沖縄の特産品や名産品を売っているので、気に入った食べ物を買って帰るのもよし。
家に着いてからも楽しめるサイクリングになるのではないでしょうか?

【いちゃりば】

  • 住所:〒551-0002 大阪府大阪市大正区三軒家東1-9-12
  • TEL:06-6553-8639
  • 営業時間:11:00〜23:00
  • 休業日:木曜日

銭湯RIDE&BATHの魅力

約25kmの間に、通天閣を見上げるザ・大阪な都心部を抜けて、自然を感じられる公園やサイクリングロード、クリエイターが集う街、沖縄の文化が受け継がれた街など、コロコロと変わる表情を楽しめるのがこのコースの最大の魅力。インドや沖縄などの食文化まで堪能できるので、旅行に行きたい人にはぴったりかも。「めがね橋」の他はほぼ平地なので、体力に自信がない人でも無理なく楽しむことができますよ!
※安全で楽しい時間を過ごすために、サイクリングの際はヘルメットの着用をおすすめします。

今回のサイクリングルート